無理やり数値化!

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抽象的か、具体的か。

久しぶりに同級生と会ったんですね。
ほんと5年ぶりくらいかな。
いまボクが齢46なので、まぁ同級生の多くは部下を抱える中間管理職世代とも言えるんですよ。

そんで、みんなこの年にもなると話題も限られてくるわけ。
子どものこと、仕事のこと、健康のこと……この辺りがホットなトピックかな。

どれもボクにはあまり関係のない話なので、他人事として聞く分にはたまにはいいかなって程度の話題。

酒も進んで仕事の話になったころかな。
みんなが仕事について語っていると、いつの間にやら「部下が仕事できない」話題で持ち切り。
ほーほー、と耳を傾けてみるとですね。

ほとんどの人はさ、要は自分の能力が高いから部下は無能だ!みたいな感じなんです。
言いたいことはよくわかる。
誰しも自分が優れていると思いたいし、それを誇示したい気持ちも非常にわかる。

でもわかるだけの話なんだよね。

黙ってサラダをつつきながら「俺TUEEE!」自慢を聞いていると、あることに気づきまして。
みんなそろいもそろって「若い人らはやる気がない」「打たれ弱い」などの結末に持っていくんです。

自慢話よりかわいいペットの話をしたいです。

さてそこでボクはピンとくるわけです。
何に気づいたかって言うと彼ら、要は若い人らに自分の考えを伝えていないってこと。

考えってのは感想とは違うんですね。
自分が部下に期待する仕事量を伝えていない、といったらわかりやすいかな。

たとえば書類をチェックする仕事があったとします。

「この書類は1件あたり約20分でしっかりとチェックしてほしい」
「1時間あたり3件として、一日8時間ならば20件は最低でもやってほしい」

あれ、これ確かビジネス用語にあったような……?

若い人が無能だと嘆く前に、誰でもがしっかりと認識できる言葉で自分の意志や考えを伝えてるかな。
ボクは同級生の彼らにそれができているとは一切思わなかった。

なぜかって?
だってさ、考えてもみなよ。
どれくらいの仕事を、どの程度の速度でやって、どれくらい休憩を挟んで集中力を高めるか。
一人ひとり自分に最適なペースってもんがあるのにさ。
それが一切作れない状況だもの。

そんな中でも自分なりに考えて仕事をしてみれば。
ほら、やる気がないだの、使えないだの。
……そりゃ酷ってやつだよ。
手探りながらもストレスを受けている中で、上司からそんな態度を出されちゃさ。
精神病む人も暴れる人もいるでしょうよ。

そのほとんどが入社当時は意欲あふれる人材だったはず。

向いている仕事なのかすら判断できずに、病んで仕事を辞めたり休職したりってのは誰のためにもならんよね。
若い人たちだって成長の可能性を断たれることにも繋がってしまう。

その原因が上司の「察しろ」が発端って話。
つまり、管理職たるボクの同級生が無能って言われてしまうよね。
もちろんこれは社会的には当然のこと。

こんな感じで、若い人の精神が弱いのではなく、使えない上司ってことはないかな。
まぁそれでもさ、しっかり伝えていてもできないってことならば、それはいっそバッサリいくことも時として重要かもね。
案外それのほうが優しさって可能性すらあるからね。
そこらへんは会社のお偉いさんにお聞きくださいな。

誰でもがわかる具体的な単位を用いて、無理やり数値化するって話。
これって実は教育や育成なんかに留まらず、人との交渉や対話にもいえることなんだよね。

ダイエットでもウエスト何センチ減!とかわかりやすいですよね。

「あなたの給料は〇〇円。会社の運営に必要な金額は月に〇〇円なので、あなたは月の目安として〇〇円の利益を念頭においてください。」

ここまではっきり言われれば大抵の人は「自分に期待される業務量や内容」ってののイメージが付くんじゃないかな。
数値化したことでさ、もし若い人がどんどん成長したなら嬉しいと思うよ。
案外、たったこれだけで大きく変わることだってあるから社会や人生は面白い。

自分の思いを具体的に伝えること。
「察しろ」だなんてのが通用するのは中学生の恋愛までってなもんですよ。

「言わなくてもわかるよな?」「んなわけあるか」

誰もが理解できる、わかりやすい単位で説明をしてみてさ。
イライラが少しでも軽減するならめっけもん。
試しに配偶者にどれくらい好きなのか、言葉に出して伝えてみてはどうかな。
食卓に並ぶおかずの品数が増えたり、ディナーデートに誘われたりするかもしれないよ。

誰かに何かをしてほしいときは、「具体的に」「数を用いて」お願いすること。ビジネスだけじゃなくプライベートでも「具体的に」「どれだけ」なのかをはっきりとさせることが、人間関係をスムーズにする秘訣。

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