人生の重い荷物

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人によって違う大きさや形の生きづらさ。

だれしも人生ってのは、ある意味での荷物を背負って道を歩いている……って表現はどうかな。

その荷物が大きいのか小さいのか、生まれもってのものか、それとも生きる途中で大きくなったものか。
それは人それぞれだと思う。

けれどもみんなが必ず持っている見えないバッグには、誰にも見えない重い荷物が入っている。

じゃあその荷物、どう扱うのがいいんだろうか。

旅商人

最近ではあまり見かけないけれど、ぼくが小さいころには“行商人”とよばれる人を結構見かけたんだよね。
いろいろな雑貨や小間物を担いで方々へと売り歩く。

安く仕入れて高く売る。その足はこれまでどんな道を歩んできたのでしょうか。

みんなが正月に再放送でよく見かけるあの人だって、地方へ売り歩くときには必ず重い荷物を持っていく。

そりゃそうだよね。
現代のように重さのない情報に高い価値があった時代ではないからね。

人間が地球で生命を営んだ期間を考えたら、きっと重量の存在する現物のほうが価値を見出されていた期間が長いよね。

行商をして生活の糧を手にするためには、なるべく価値のあるものをたくさん運べたほうが有利だと思う。

みんなが抱えている荷物がどんなものかはわからないよ。
けれどさ、その荷物が重くて苦しいならば、もしかすると価値のある商材をたくさん運んでいる状態かもしれないよね。

確かに運ぶのは重くてつらい。
さらに販売する目的地はまだまだ遠いのかもしれない。

でも、それだけ重い荷物を今まで、ここまで運んでこられたんだもの。
販売できる目的地まで運べたら、そりゃあ大きな売り上げになる可能性は他の人よりも高いんじゃない?

あくまで可能性って話だけどね。
それでも運ぶ労力やつらさが何の報いもないって思い込んでしまえば、はっきり言ってやりきれないよね。

筋トレむきむきマン

重い荷物といえば最近では街のあちらこちらに小さいトレーニングジムを見かけるよ。
仕事帰りに軽く運動をしてストレス発散、そして身体を鍛えるかってね。

ムキムキに!なんて無理ですが、わたしは引き締まった体がほしいです。

いいね。
適度な運動で身体を整えると気分もよくなる気がするよ。
お散歩くらいの軽い運動でも、しないよりはずっといいと思う。

んで、筋トレってのはいろいろな方法があるけれどさ。
よく考えてみると日常生活では使わないような負荷をかけて身体を鍛えるって目的があるよね。

ダンベルみたいな重しを使って運動すれば、後日には強烈な筋肉痛が……。
それでも筋肉痛が治った後には成長した筋肉が残るってね。

筋肉がつくってどういうことだろう?
ボディビルダーのように魅せるための筋肉って人もいるよね。

でも多くの場合、同じパワーで力を出したときには筋肉が乏しいときに比べて重い荷物も持てるよね。
同じパワーなのか馬力なのか消費カロリーなのか……それはちょっとわからないけどさ。

たとえばお米10kgと言ったらすごく重い。
普通の人なら重くて重くて、スーパーから運んで来ただけでも筋肉痛になっちゃうかも。
でもそれがお相撲さんだったらどうだろう。

毎日のように筋肉を鍛えているお相撲さんなら、たぶん10kgは軽々運べちゃうよね。
新弟子のころには疲れ切って苦しい人だったとしても、関脇にまで出世した人なら軽々だよね。

じゃあさ、捨てることのできない重い荷物を背負った人生。
その荷物は苦しさつらさで顔をしかめるけれど、筋トレの負荷として考えたらどうだろう。

日常的に重い荷物を背負ってきたから、ある日突然その身に何かがのしかかっても、いつものことさと平気で運べるかもしれない。
軽い負荷しか経験していなかった人と比べて、重い荷物を運んできた人はよりマッチョなのかもしれないね。

もちろんあくまで概念的な話なんで、本当に筋肉がつくかどうかなんてことは言ってないよ。
でもそんな考え方もありじゃないかなーってね。

他人の手伝い

捨てることのできない人生の重し。
それを運ぶことが人生とは言っても、なにも自分一人で運べというルールがあるわけでもなし。
まぁルールの解釈も自由なんだけどね。

ひとりで抱えるには重すぎる荷物もありますよね。

べつに他の人を頼ってもいいんじゃないかな。
荷物を運ぶプロに依頼して、その重い荷物運びを手伝ってもらうのもよし。

でもさ他の人にお願いするってことは、それは相応の対価ってのがあるのも世の常。
誰でも彼でも無料で何でもやらせよう、やってくれる、なんてのはいささか虫が良い話だよね。

では重い荷物を背負って苦しい状態。
その荷物運びを手伝ってくれる人がいたとして、みんなは何を提供できるかってね。

お金でもいいし愛情でもいいし、それは当人同士が釣り合えばいろんな形があるはず。

世の中に美味しい話なんてのは基本的になくてさ。
自分にとって美味しい話ってのは相手にとっての大きな利益が伴うケースも多々ある。
もしかしたら自分の損失が相手の利益に繋がることだってある。

誰かを疑って生きろって話じゃないさ。
仮に誰かに手伝ってもらうとしても、貴重品くらいは自分で持ち運びなさいってね。

何から何まで手伝ってもらって、大事なものまで全部持っていかれちゃったら大惨事でしょ。
ある程度の重さだって残しておかなきゃ最低限の筋力の維持だってできやしないって。

まぁ絶対に捨てることのできない人生の荷物。
それをどう運ぶのか、なにを利用するのか、どういう考えに至るのか……。
そんなの未来永劫なにが正解かなんてものは弾き出されないよ。

いつかその荷物が自分の誇りに変わる日がくるかもしれません。

だからこそ自分の背負っている荷物を確認しながらさ、疲れたらほどよく休憩してまた歩き出せばいいんじゃないの。

人生の荷物から得られるものはつらさだけじゃない。

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