できない理由

※この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

知らないものに触れると知的好奇心がくすぐられるタイプです。

新しい技術や自分の知らない技術、これからどうなるか予想のつかない新しい方法……。

ボクはそうしたものに触れるとワクワクが止まらないんですよね。
でも社会ではそういう人ばかりではなさそう。

むしろ、そうした新しいもののダメな部分を探すことが得意な人も多いんじゃないかな。

・ズルいって何?

何年も何十年も努力を続けて磨いてきた技能や知識。
それはたしかに誇るべきものだし、結果として今の素晴らしい生活があるのかもしれない。

努力の上に今の生活があるわけで。

でもさ、人々のそうした矜持なんてもんを残酷にぶっ潰すような、そんな技術や方法が出てくるのもまた社会じゃないかな。

たとえばの話。
飛脚のお仕事をしている人が大切な書簡を超早くお届けする。
そのための身体づくりや健康維持、生まれ持ってのセンスもそれは素晴らしいものだよね。

でもさ、その人がもし今の通信技術を見たらどう思うかな。
大切な書類も電子化されて、1秒もせずに世界中の人に送信できる時代。

もちろんこれだけ大きく違う形であれば、それはそれで納得するかもしれないよね。
でもさ、飛脚が活躍している時代に自転車や自動車という製品が登場したらどう感じるだろうか。

明らかに自分の脚で走るよりも早いし、これは自分の仕事が無くなるかもなぁ……って。
人によってはその製品を「ズルい」と表現するかもしれないよね。

・ダメな部分

もちろんどんなものにも良い点もあれば悪い点もあるよね。

どんなひとにも、どんなものにも、いろいろな面があるものです。

さっきの人力移動と自動車の話ならさ、自動車はメンテナンスも必要だし燃料も必要。
もともと生活の糧として存在していた仕事に就いていた人は、とくにそうした点を指摘しがちかと思う。
そして元来の良い点を強調しがちじゃないかな。

「人が運ぶことで暖かみが……」
「汗水流して運ぶからこそ価値が……」

なんて感じかな。
そしてさらにこう続くだろうか。

「自動車のメンテナンスは複雑で金が掛かる」
「燃料の補給はそんなに簡単じゃない」
「事故が起こったら大惨事になる」

なんてさ。

もちろんそうだよね。
別に間違ってもいないし、それは大切な話だとも思う。

でもボクは、だから何?としか感じない。

そんなこと言ったらさ、人間だって飯食わなきゃダメだし、転べば骨折して走れなくもなる。
もしかしたら山賊に襲われて荷物を失うかもしれない。

けれどボクはそんな下らないネット上の煽り合戦みたいなのは興味がないんですよね。
そんな煽り文句を考えるヒマがあるなら、できない理由を挙げられたなんてすごいじゃん、と評価したい。

だって、そのできない理由を潰せば、それは素晴らしく使い勝手の良い技術になるんじゃない?ってね。

・使えない社員

できない理由を探すってことは、裏を返せば自分のすごさを明確にさせたいって気持ちがあるのかなぁって。
これはちょっとイヤミな言い方かもしれないけどさ、若干はそうした傾向もあるんじゃない?

わたしは他の人と違うんだ!ってね。

そんでさ会社でよくある話で、
「あいつは使えない」
って見聞きするような場面に遭遇したことはないかな。

話を深掘りしてみると、だいたいのケースではダメな部分、使えない部分が表面化してくる。
やれ話し方が早口すぎるだの、協調性がないだの。
場合によっちゃ、接客が丁寧すぎる!なんてこともあるよね。

でもボクからすればその程度のことだと思う。
もちろん限度はあるけれど、逆に言えばそのダメな部分が無くなれば十分に活躍できるんでしょ。

果物だって皮と種を取り除けば、人を笑顔にさせるしあわせのデザートに。

いちいちその程度のことでいがみ合ったり、退職させたり追い込んだり。
そんなの本当に仕事なのかな。

クビにして、また新しい人を募集するために広告出すの?
人事部が面接するのはコスト掛からないの?
その間の欠員はどう補填するの?

悪いけど、そんなあらさがしに邁進するヒマがあるなら帰って寝てれば良いんじゃないかな。

ダメな部分を指摘できるってのはすごいじゃん。
でもさ、一歩進んでダメな部分を無くせばもっと良くなるって考えたらどうだろうか。

ダメな部分を探せるなら、良い部分を探すことだってできるよ。
だって同じことだもん。

良い部分を見つけるのは、きっとその人の信頼を得ることにも繋がるよね。
困ったときにもヘルプを出しやすいって考えれば、どっちがお得かな。

それまでの努力が泡と化すような困難は突然ふりかかってくるから。

誰かのあらさがしばかりしていたら、最後の最後に自分を助けてくれる人はいませんでした。
なんて悲観に暮れるのはマンガだけにしとこうよ。

自分がもっと楽できるように考え方をシフトするのも、また自分の生きやすさに繋がるんじゃないかな。

「できない」理由をつぶせばより強力な「できる」のできあがり。他人の長所さがしで味方を増やそう。

※「ほんの1ミリ生きやすく」では匿名の相談をお受けしています。内容は記事として取り上げてもよいものでお願いします。相談はこちらから(別サイト「Peing- 質問箱 -」が開きます)。

記事内の挿絵はAIにより生成されたものです。
タイトルとURLをコピーしました