ウサギとカメと学歴マウント

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親が読み聞かせてくれる絵本が好きでしたって人、多いんじゃないでしょうか。

小さいころ、幼稚園だったか小学校だったかで「ウサギとカメ」なんて童話を聞かせてもらった。
いま考えると童話の類って、道徳心や倫理観、人生訓などをわかりやすく伝えてくれるお話だよね。

「アリとキリギリス」なんてのも人生における重要なことがテーマだった記憶がある。

なんだっけ、余裕ぶちかまして居眠りしてる間に抜かれて先にゴールされたお話だったっけ。
あれ、それは違う?

今日はそれくらいの小さなお話。

・大学進学は多数派

日本ではとくに大学卒業を目指すことが非常に有利だよね。
もともとは特殊な仕事をするための学問や技術、またはそうした土台を習得する場って認識だったと思う。

昔は特別、今は平均的。それが大卒。

もちろん社会が成長するにしたがって、高度な教育を受けた人ほど有利になる仕事っていうのも増えたはず。
ただ、最近はコンピュータをはじめとする技術の進歩によって、オペレーション業務そのものの難易度は下がったかな。
まぁ、そこらへんの社会情勢の変化は別の機会にお話したいので、ここでは割愛。

ともあれ多くの方は大学へ進学して、大学を卒業して、そして社会に出て行く。
こんな社会の仕組みだと思う。

そもそも企業が採用をする際に、まず大学卒業以上を応募条件として扱ってるわけでさ。
これはもう個人個人が異を唱えるのは難しいと思う。

なるべく良い大学を出て、良い企業に就職する。
さすれば一生は安泰。
こうした価値観の是非はともかく、傾向としては日本社会を顕著にあらわしている気がするよ。

・受験競争

良い大学に進学したい。
そのためには学校で履修するだけの学問だけでは足りず、小さいころから学習塾などに通う子も多いよね。

あの頃もうすでにレースは始まっていたんですね。

小学校、中学校、高校とレベルの高い学校を目指し、最終的にはレベルの高い大学に入り卒業する。
そうすることで同じ大卒という肩書きでも、やれAランク卒だのFランク卒だの、そうした扱いの差が出るわけ。

先ほどの「ウサギとカメ」で言うならば、良い学校に入るためには熾烈な競争がある。
だから受験バトルを勝ち進んで良い大学に入った人は、すごく高い能力だよね。

まさにカメのようにコツコツと10年間の受験勉強を重ねた結果だとも思う。
遊びたい気持ちも我慢して、一歩一歩着実に歩みを進めて得た結果でもあるはず。

そうした高い能力を持つ人が就職や企業選びで優位に立つことは、なんら不思議ではないよね。
それだけの資質を持っていると示せるわけだから、それは当たり前の話でしょう。

でも社会人として勤めてみると、実際には大学で学んだことや受験勉強で培った知識的なものがあまり関係なかった。
なんてこと、誰にでも身に覚えがあるんじゃないかな。

さらに社会人となってから業務上で覚えることってのは、受験勉強で学ぶ速度の比じゃないほどに短期間で学ぶ必要がある。
だからこそ企業は、忍耐力や地道な頑張りができるであろうカメを雇いたいってところかな。

・いつまでそのネタ?

多くの人が仕事をして、誰だってまぁ30歳40歳くらいまで歳を重ねて行く。
社会に出て10年20年も経てば、それはそれは学んだ量や経験した量だってすごいボリュームだよね。

もはやプロフェッショナル。

業界は違えど、それぞれのルールや法律、マナーや対処法もさまざま。
一概に比較はできないけれど、みんな相当な経験を積んで成長していることは間違いないわけだ。

でもさ。
人間ってのは面倒くさい生き物で、どうしても他人と比べて優位であることを誇りたいのかな。
同窓会でもインターネットでも、だいたい同世代の人間が集まると始まるのが学歴マウントってやつ。

なんなのかなぁ、あれ。
たしかに20歳やそこらでは比較する対象が学校の偏差値くらいしかないよね。

だから若い人が学歴や成績でマウントをとりたがるってのは理解できる。
でも社会に出て10年20年……だよね?

さっき言ったとおり、受験勉強の比じゃないほど濃密で社会における専門的な知識や技術、技能を経験してる。
それくらい社会ってのは複雑な構造で、学ぶべきことは終わりのないほど幅が広い。
それだけすごい社会に10年20年と身を置いて、全員が成長を続けているわけ。

にもかかわらず「俺は〇〇大学だったけどお前は××大学だったよな」みたいな話が散見される。

もちろん頑張って受験競争に勝ち抜いて偏差値の高い大学を卒業したことはすごい。
高い能力をいかんなく発揮して、持ち前の根気で結果をつかんだことは誇るべき。

しかし、それよりもずっと学ぶことも学ぶ内容も濃い社会でさ。
いったいなにを学んで成長して来たんだろうね。

「あいつは△△大学なのに給料が高い」って?
うんうん、とてつもなく……ダサい。

自分はカメのごとく地道に根気強く受験勉強を積み重ねて勝負に勝った。
そのゴールを勝ち取ったのはあなた。

カメからウサギへ転身しちゃっている方、多いですよね。

でも社会ってレースは別の競技場で現在進行形で行われているよ。
ほら、せっかく良い位置取りからスタートできたじゃないの。

ウサギみたく居眠りしている間にさ、社会の勉強を地道に続けるカメに追い抜かれても知らないよ。
なんてね。

受験は最終ゴールじゃない。元ウサギは社会というレースでカメに化ける大チャンス。

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記事内の挿絵はAIにより生成されたものです。
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